内部監査の「事前質問リスト提出」は必要か?
〜現場が「完璧」を求める裏にあるプライドと評価の壁〜✨
はじめに
内部監査が近づくと、事務局を通じて現場から
「当日聞くことを具体的にリストアップしてほしい」
と強く求められることがあります。
「何を聞かれるかわからないと不安」
「事前に準備させてくれないと困る」
監査側としては“ありのまま”を確認したいところですが、
なぜ現場はここまで頑なに 想定問答集(Q&A集) を作りたがるのでしょうか。
背景を探ると、単なる準備ではない、組織の深層にある理由が見えてくる場合があります。🔍
「完璧」を求める理由①:指摘が「人事評価」に影響する⚠️
事務局に事情を聞いて驚いたのは、その組織では
「監査での指摘事項が担当者の人事評価にマイナス影響を与える」
という隠れた文化が存在していたことです。
この状況では、現場にとって内部監査は「業務改善の場」ではなく、
減点を避けるための“試験” になってしまいます。
その結果──
- 「何も言われないこと」が最優先になる
- 本来業務を止めてまで“完璧な回答集”づくりに時間を費やす
- 組織全体で見ると大きな時間ロスが発生する
内部監査の本来の目的から大きく逸れてしまうのです。
「完璧」を求める理由②:プロとしての「プライド」が許さない🔥
もう一つの大きな要因は、担当者の プロとしてのプライド です。
長年その業務に携わってきた人ほど、監査で不備を指摘されると
「自分の仕事が否定された」
「恥をかかされた」
と感じてしまうことがあります。
そのため、
「外部(監査員)から指摘される前に、すべてを完璧に整えておきたい」
という心理が働き、質問リストを事前に把握し、隙のない質疑応答集を作ろうとします。
しかし──
“見せかけの完璧さ”を守ることは、本当のプロの誇りと言えるのか?
ここが大きな問いです。
監査の本来の姿は「健康診断」🩺
内部監査の目的は、問題を隠すことではなく、
仕組みに潜む「無理・無駄・リスク」を見つけること です。
質疑応答集を読み上げる監査は、予定調和で終わり、改善が生まれません。
一方で、ありのままを見せる監査は、現場の困りごとが可視化され、組織として改善が進みます。
「指摘がある=ダメ」ではありません。
むしろ、
「指摘がある=もっと楽に、確実に仕事ができるチャンス」
と捉えるべきです。
指摘を恐れて隠してしまえば、後で大きなトラブルとして噴出し、
その時こそ本当の意味でプライドが傷つくことになりかねません。
監査員・事務局が伝えるべきメッセージ💬
現場から「質問リストを出してほしい」と言われたとき、こう伝えてみてください。
「私たちはあなたを裁くために行くのではありません。 今の仕組みであなたが苦労している部分や、もっとスムーズにできる部分を一緒に探したいのです。 だから想定問答集は必要ありません。ありのままの日常を教えてください。」
おわりに
内部監査を「対決の場」にするのか、
それとも「より良い職場にするための対話の場」にするのか。
それを決めるのは、質問リストの有無ではなく、
お互いの信頼関係 です。
「何も言われないこと」を目指す組織から、
「課題を出し合える組織」へ。
その小さな意識の転換こそが、現場の負担を減らし、
本当の意味で誇れる仕事につながっていきます。🌱✨
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