🌍 ISO14001の「環境側面」とは?著しい環境側面の選定方法と“点数法の落とし穴”


ISO14001を運用するうえで、最も質問が多いテーマの一つが、
「環境側面と著しい環境側面をどう決めればいいのか?」
という点です。


1. 🔍 そもそも「環境側面」とは何か?

ISO14001では、環境側面を次のように定義しています。

「組織の活動・製品・サービスが環境に与える影響の原因となる要素」

つまり、環境側面とは
👉 環境に影響を与える“原因(きっかけ)” のことです。

代表的な環境側面の例

  • 廃棄物の発生
  • 電気・ガス・燃料の使用
  • 化学物質の取り扱い
  • 騒音・振動
  • 排水・排ガス
  • 気候変動の影響(猛暑・豪雨など)

環境影響(結果)と混同されがちですが、
環境側面=原因、環境影響=結果
と理解するとスムーズです。


2. 🧭 環境側面の洗い出しは「業務フロー方式」が最も実務的

環境側面の洗い出しでよくある失敗は、
「部署ごとにバラバラ」「担当者の感覚で選んでしまう」
というケースです。

そこでおすすめなのが、
👉 業務フローに沿って洗い出す方法 です。

例:購買 → 作業 → 廃棄

  • 購買:包装材、輸送、化学物質の購入
  • 作業:電気使用、騒音、排水
  • 廃棄:廃棄物の発生、リサイクル

業務の流れに沿って整理することで、
漏れがなく、誰が見ても理解できる環境側面リスト
になります。


3. ⚡ 著しい環境側面とは?点数法のメリットと“落とし穴”

著しい環境側面とは、
「優先的に管理すべき重要な環境側面」
のことです。

多くの企業が点数法(スコアリング)を使っていますが、ここに落とし穴があります。

点数法のメリット

  • 客観性がある
  • 説明しやすい
  • 審査で理解されやすい

点数法の落とし穴

  • 点数をつけることが“目的化”する
  • 担当者によって点数がバラつく
  • 毎年同じ結果になり、改善につながらない
  • 新たな事項(例:気候変動リスク)が考慮されていないケースが多い

また、猛暑・豪雨・停電など、
環境から業務への影響(逆方向の側面)
も著しい環境側面の候補になります。


4. 🛠 実務で使える“著しい環境側面”の判断基準

点数法に頼りすぎず、次のような基準を組み合わせると実務的です。

判断基準の例

  • 法令が関係するか
  • 苦情・事故につながる可能性
  • 大量性(量が多いか)
  • 変動性(増減が大きいか)
  • 経営リスクにつながるか
  • 気候変動の影響を受けるか

これらを踏まえると、
👉 著しい環境側面=“会社の弱点と強みの見える化”
と言えます。


5. 🔗 著しい環境側面と環境目標のつながり(前日ブログとの連動)

著しい環境側面は、環境目標の“源泉”です。

  • 著しい環境側面 → 重点管理項目
  • 重点管理項目 → 環境目標
  • 数値化できない場合は状態目標でOK

前回のブログで解説した
「数値化できない目標の扱い」
とも自然につながります。


6. ⚠️ よくある誤解・失敗例

  • 点数法の点数が目的化している
  • 著しい環境側面が毎年同じ
  • 現場が理解していない
  • 法令を考慮していない
  • 気候変動リスクが抜けている
  • 審査のためだけに作っている

これらはすべて、ISO14001が“形骸化”する原因です。


✅ まとめ:著しい環境側面は“経営リスクの見える化”である

環境側面・著しい環境側面は、ISO14001の中心となるプロセスです。
ここを正しく押さえることで、

  • ISOが“審査のための仕組み”から
  • “会社を強くする経営ツール”へと進化します。

環境側面は単なる環境管理ではなく、
未来のリスクと機会を見える化する“経営の羅針盤”
と言えるでしょう。








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