📝社内教育の「伝わらない」を解決!実践につながる説明の順番とは?
😥 社内教育担当者の悩み:「わかってもらえない」「実践されない」
研修資料を作成し、熱意をもって説明しても、社員が内容を「理解」し、
それを「仕事で実践」してくれるまでの道のりは、なかなか険しいものです。
- 「研修中は真剣に聞いていたはずなのに、なぜか行動が変わらない…」
- 「この内容は私には関係ない」と途中で関心が薄れてしまう…
特に、全社的なテーマや、一見すると自分の業務と直結しない内容
(例:コンプライアンス、環境問題、新しい経営方針など)を伝える際には、
この「関心の壁」が大きな課題となります。
社員が研修中にスマートフォンを触り出す、上の空になる…といった状況は、
「説明の順番を誤っている」サインかもしれません。
🙅♀️ 失敗例:「世界規模」から入ると、社員の関心は失われる
先日、環境教育に関する担当者の方から、次のようなご相談がありました。
「環境に関する研修を実施したところ、途中で携帯電話を触り出す社員が出てくる。」
その研修で採用されていた説明の流れは、
「地球環境に大きな問題がある」→「日本にも影響がある」→「当社にも影響がある」→ 「だから社員は、環境を保護しましょう」
というものでした。
一見、ロジカルで正しい流れに見えますが、この順序には大きな落とし穴があります。
🚨 途中で飽きてしまう理由
受講者(社員)は、壮大な「世界の話」から「日本」「会社」の話にたどり着くまでに、
「自分事ではない」と感じ、興味を失ってしまう可能性が高くなります。
- 話が大きすぎて、「何を、どう行動すればいいのか?」という具体的なイメージを持てない
- 「地球規模の問題を、私一人が取り組んだところで、意味があるのだろうか?」と感じてしまう
- 結果として、「やらされ感」が生まれ、行動につながらない
✅ 成功への転換:説明の順番を「逆」にする
では、どのように説明の順番を変えれば、社員の関心を引きつけ、
行動変容を促すことができるのでしょうか?
鍵となるのは、「世界」から入るのではなく、「個人」から入ること。
すなわち、説明の順番を逆にするアプローチです。
🔄 実践につながる「逆の流れ」
提案したい説明の順序は、以下の通りです。
- 🧑 まず「今、あなた自身ができること」から話す
- 目的: 「自分事」として関心を持たせ、行動への心理的なハードルを下げる。
- 🏢 個人の行動が、会社・組織に与える影響を説明する
- 目的: 行動の「意義」を理解させ、自分の小さな行動が組織に貢献している実感を持たせる。
- 🌍 組織の行動が、地域・世界に与える影響を説明する
- 目的: 「大きな目的」とつながっているという貢献実感を持たせる。
💡 環境教育での具体的な伝え方
先ほどの環境教育の例で考えてみましょう。
「今、皆さんの業務内でできることは、○○(例:ペーパーレス化、PCの電源オフ徹底など)です。この○○を徹底することで、まず皆さんのデスク周りが変わり、環境対策の第一歩となります。」
さらに、
「皆さんがこの○○を継続し、更に可能な範囲で次の取組みをすることで、当社のコスト削減や社会的評価の向上という形で、環境対策に貢献できます。」
そして、最後に、
「一人の活動が、組織の活動となり、その組織の活動が地域の活動、そして日本、世界へとつながり、地球規模の大きな活動になるのです。」
この「個人→世界」の流れであれば、受講者は最初から「自分にできること」に集中でき、
行動への意欲が高まります。
🚀 まとめ:行動の成果を「フィードバック」する仕掛けを
「自分事」から入る説明は、社員に「まずはやってみよう」という初期衝動を与えます。
そして、教育を定着させるためには、数ヶ月後に以下のステップを入れることが重要です。
- ✅ 個人の具体的な取り組み事例を共有してもらう場を設ける
(例:「○○さんが部署でこんな工夫をしてくれた結果、こんな効果が出ました」など) - ✅ 小さな行動(インプット)が、会社や環境全体にどのような貢献(アウトプット)をもたらしたかを数字でフィードバックする
(例:「紙の使用量が前年比20%削減されました」など)
説明の順番を「世界→個人」から「個人→世界」へ逆転させることで、
受講者は研修内容を「自分事」として捉え、自発的な行動へとつなげることができます。
❓よくある質問(Q&A)
Q1. なぜ「世界→個人」の順番では伝わらないのですか?
A1. 話が抽象的でスケールが大きすぎると、受講者が「自分には関係ない」と感じてしまい、行動につながりにくくなるためです。
Q2. 「個人→世界」の順番に変えると、どんな効果がありますか?
A2. 受講者が「自分にできること」から考え始めることで、関心が高まり、行動への心理的ハードルが下がります。
Q3. どんなテーマでもこの順番が有効ですか?
A3. はい。コンプライアンス、DXなど、抽象的・全社的なテーマほど「個人→世界」の順番が効果的です。
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