🚀【内部監査の価値とは】お客様先での監査から見えた進化の実例
「気になるところは徹底的に指摘し、監査報告書に記載してほしい」――。
特に経営層の方々からは、このような「手加減無用」の熱い要望をいただくことが少なくありません。
しかし、その裏側で、現場の方々からは「また面倒な指摘が増えるのか…」といった、
うんざりした空気が漂うことも正直あります。
かつては、監査報告書に指摘事項が多ければ多いほど、現場のモチベーションが下がり、
監査自体が「煙たい存在」になってしまうというジレンマがありました。
しかし、最近のお客様との内部監査で、その状況が変わりつつあることを実感しています。
🤔 従来の監査とのジレンマ:指摘は本当に「厄介」なのか?
「徹底的に指摘してほしい」という経営者の要望は、
企業をより良くしたいという強い意思の表れです。
一方で、現場のリアクションが冷ややかなのはなぜでしょうか?
それは、指摘が単なる「アラ探し」や「現状の否定」として受け取られがちだからです。
現場の感情としては、以下のような声が聞かれます:
- 「やったことない新しい課題ばかり指摘されたら、また仕事が増える」
- 「改善の意図が分からず、形式的な対応で終わってしまう」
- 「報告書に大量に記載されることで、自分たちの努力が認められていないと感じる」
監査人がどれだけ真摯に指摘しても、受け手との間にこのギャップがある限り、
内部監査は「企業価値向上のためのプロセス」ではなく、
「やっかいなイベント」として終わってしまいます。
✨ 「未検討」「気づき」に変わる指摘:新しい監査の価値とは?
私が最近、大きな安堵とやりがいを感じたのは、監査報告書を提出した後のお客様からの以下の言葉でした。
「我々には、まだ未検討、気づかなかった部分があった。是非、取り組もう!」
この言葉を、経営者だけでなく、現場のキーパーソンからもいただけたのです。
単に「指摘を真摯に受け止めます」という建前の返答ではなく、「前向きな行動への宣言」です。
これが実現できた背景には、監査のアプローチに以下のような変化があったと分析しています。
1. 「リスク」ではなく「機会」の視点を加える
従来の監査は、「リスクの回避」と「統制の不備」に焦点を当てがちでした。
しかし、成長フェーズにある企業にとって本当に必要なのは、
「成長を妨げているボトルネック」や「未開発のポテンシャル」を発見することです。
監査を「リスク管理」だけでなく、「ビジネスチャンスの発見」として捉えることで、
監査の価値は大きく変わります。
2. 「過去の評価」から「未来への提言」へ
問題の根源(真因)を追究するだけでなく、
「その真因を解決した先に、組織全体としてどのようなメリットがあるか」という
未来志向の提言をセットで提供しました。
これにより、指摘が「過去の失敗を責めるもの」ではなく、
「未来をより良くするための具体的な設計図」へと変わります。
3. 経営層と現場の「共通言語」としての監査報告書
経営層が求める「徹底的な指摘」と、現場が求める「前向きなフィードバック」を両立させるために、
報告書では「リスクの重大性」と「改善による付加価値」を明確に分離して記述しました。
- 経営層向けには:組織の戦略目標に対する影響度や、看過できない重大リスクを簡潔に提示。
- 現場向けには:具体的かつ実行可能な改善ステップと、
その改善がもたらす現場メリット(効率化、品質向上など)を詳細に記載。
😊 監査を実施した者としての「安堵」
お客様に「未検討だった」「気づかなかった」と言っていただけた瞬間は、
監査を実施した者として最大の安堵を感じます。
それは、単に「監査が成功した」というだけでなく、
- お客様が求める真の価値(=組織の成長)に貢献できたこと。
- 徹底的な指摘が、「煙たさ」ではなく「前進への力」として受け止められたこと。
を意味するからです。
これこそが、現代の企業が内部監査に本当に求めているものだと考えています。
📌 まとめ:内部監査は「価値創造のカタリスト」へ
- 従来の監査:リスクの回避と不備の指摘が中心となり、現場の負担感が高かった。
- 進化する監査:未検討領域の発掘と付加価値を生む提言が中心となり、経営者・現場双方の「気づき」を促し、前向きな行動を引き出す。
あなたの組織の内部監査は、「煙たいイベント」になっていませんか?
それとも「成長への推進力」となっていますか?
❓ よくある質問(Q&A)
Q1. 経営層と現場で監査報告書の受け止め方が違うのはなぜですか?
A. 経営層は戦略的視点でリスクや改善を捉えますが、現場は業務負荷や実行可能性を重視するため、温度差が生じやすいです。
Q2. 指摘を前向きに受け止めてもらうにはどうすればいいですか?
A. リスクだけでなく、改善によるメリットや機会を明示することで、現場の納得感と行動意欲を高めることができます。
Q3. 内部監査はどのように企業成長に貢献しますか?
A. 未検討領域の発見や改善提案を通じて、業務効率化・品質向上・リスク低減など、組織の持続的成長に寄与します。
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