QMSやISMS導入時に現れる「抵抗勢力」は本当に厄介者なのか？
editor組織を強くする逆転の発想とISO認証成功の鍵
ISO認証導入で直面する“現場の反発”
ISMS（情報セキュリティマネジメントシステム）、QMS（品質マネジメントシステム）、
EMS（環境マネジメントシステム）などの第三者認証を導入する際、
現場から懸念や反発の声が上がることは珍しくありません。
推進担当者の視点では「協力的でない」「非効率だ」と映るかもしれません。
しかし、こうした声は単なる抵抗ではなく、
組織の改善に役立つ重要なヒントを含んでいる可能性があります。
現場がISO認証に反対する理由とは
抵抗勢力と呼ばれる人々が示す懸念には、現場目線の合理的な理由が存在します。
代表的な意見は以下の通りです。
- 文書や記録が増えるのではないか
既存の業務ルールに加えて、事務作業が増えることへの不安がある。 - 導入のメリットが見えない
認証取得によって自分たちの業務がどう改善されるのかが不明瞭である。 - 規格要求に縛られるのではないか
現場で培った効率的な方法が、ISO規格によって制限されることへの危機感がある。
これらの声は、現場の業務効率や実務負担を真剣に考えているからこそ出てくるものです。
抵抗勢力は“最強のチェック機能”になる
推進担当者は、抵抗勢力の意見を単なる障害ではなく、
現場からのフィードバック機能として活用すべきです。
文書が多すぎるという指摘は、システム設計が現場の実態に合っていない可能性を示しています。
メリットが伝わっていないという声は、社内コミュニケーションの不足を示すサインです。
これらの意見を真摯に受け止めることで、より実効性の高いシステム設計と社内浸透が可能になります。
抵抗勢力は“現場のプロフェッショナル”
一度納得すれば、抵抗勢力だったメンバーはシステム運用の最強の味方になります。
業務に精通しているため、システムの実効性を厳しくチェックできる。
細部まで確認し、形骸化を防ぐ役割を果たす。
現場の信頼を得て、導入後の定着と改善を促進する。
成功の鍵は“現場の声”にあり
ISMSやQMS、EMSなどのマネジメントシステム導入において、
抵抗勢力は組織を強くするパートナーです。
彼らの意見を「会社を強くするヒント」として受け止め、
設計・運用・コミュニケーションに活かすことで、
ISO認証の導入は形式的なものではなく、本質的な業務改善へとつながります。
