顧客満足の真髄は「危機対応」にあり|リフォーム業者から学んだ誠実な対応力  

先日、自宅のリフォーム工事を実施した際、
作業終了日に施工業者のミスで工事が完了しないというトラブルが発生しました。
正直なところ、予定通りに作業が終わらないと、私のスケジュール調整が非常に困難になり、
通常なら怒りを感じる状況です。

しかし、今回は驚くほど怒る気になれませんでした。
その理由が、まさに顧客満足(CS)の核心を突いていると感じています。

危機対応で差がつく顧客満足度
本来、施工ミスや作業遅延は顧客満足度を大きく下げるリスク要因です。
しかし、今回のリフォーム業者の対応は以下の点で非常に優れていました。

即時かつ誠実な説明 :  ミス発覚直後、ミスの理由、工事延期の原因、現在の正確な状況、そして今後の具体的な対応策(追加工事の日程調整など)を誠実に説明してくれたこと。

組織的なサポート体制 :  担当者以外のスタッフがすぐさま状況を把握し、組織全体でサポートに入ってくれたこと。
日頃の信頼 :  ミス発覚前から、常に気持ちよく作業を進めてくれていた「姿勢」。

この迅速かつ誠実な対応により、トータル的に怒りを感じる水準にいきませんでした。

ちなにみ、QMS(ISO9001)では、顧客満足の定義として、顧客の期待が満たされている程度に関する顧客の受け止め方としています。
今回の場合、私の受け止め方です。

業務で起こり得る「満足のギャップ」と期待値コントロール
この教訓は、私たちの業務においてもそのまま当てはまります。
同じサービスを提供しても、満足してくださるお客様と、不満を感じるお客様がいます。
これは、お客様それぞれが持つ期待値や満足度の基準が異なるためです。

ミスやトラブルが起きた時こそ、これまでの顧客への対応や信頼関係が試される瞬間です。

顧客満足向上は「状況に応じた対応」が鍵
顧客満足度向上のためのマニュアルやベストプラクティス(成功事例)はもちろん存在します。
しかし、最終的には、顧客一人ひとりの状況や心情を理解した柔軟かつ誠実な対応力が不可欠です。

今回のリフォーム業者のように、日頃からの信頼構築と危機発生時の誠実なコミュニケーションこそが、
トラブルを乗り越え、結果として顧客との関係を深める最大の秘訣であると改めて学びました。